今現在の健康状態のまま、長々と生きられる保証もないのに、今やれることを先延ばしにし、遠い未来に夢を持ち、だらだらとした生活を送っている人が多いですよね。
私もその1人です。いつかは死ぬと思ってても、そのいつかはまだまだ先の出来事で、一年後、十年後の未来なんて確実にあるものだと思い込んでいます。
ですが、世界には沢山の病気があり、時に若くして命を落としてしまうこともあります。それでは夢は幻想として終わってしまいます。病の1つに、早老病という病気があるのですが、これは、常人とは比べものにならないスピードで身体が老いていく病気なのです。
小説で知った早老病
私は、「桜のような僕の恋人」という小説を読んだのですが、主人公の恋する相手は、「ファストフォワード症候群」という世界でも例が少ない病気にかかってしまいます。これは、急激に老いてしまう病気で、1年足らずで生を保つことができないくらい老いてしまう病なのです。
私は、こんな病気、本の中の物語中だけのものだろうと思っていました。ですが、ネットで検索して衝撃を受けたのです。
この病気は本当に実在する病気で、日本人では、今現在2000人近くの患者さんがいるとわかったのです。単純計算で、5万人から6万人に1人の確率でかかっている計算になりますが、若い人が急激に老いてしまう病気なので、高齢者を除いて計算した場合、この倍以上の2万〜3万に1人の確率になると思われます。
人が人生で、何らかの接点を持つ人数は3万人程と言われていますので、生きていく中で、一度くらいこの病気に遭遇する可能性は十分あると言えます。
早老症の種類
私が最初に紹介した、1年以内に命を落としてしまう可能性が高いファストフォワード症候は、早老症の中でももっとも重度なもので、この他にも以下のような種類があります
などなど、これでも全てではないのですが、1番よく認知されているのはウェルナー症候群と言われるものです。
ウェルナー症候群
世界でもウェルナー症候群にかかっている人はいるのですが、世界全体患者の60パーセントが日本人であるという恐ろしいデータがあります。世界で患者が100人いた場合、60人は日本であるということです。
ウェルナー症候群はフォワードフォワード症候群程、病の進行は早くないですが、それでも昔は40代で多くの方が命を失ってしまうような病でした。今では医学が発展し、寿命が50代から60代くらいまでの方もいるようです。
しかし、免疫力が低下してしまうため、身体に傷害を追いながら、生きているような方も沢山いるのが現状です。
早老症(ウェルナー症候群)の症状
・現年齢では考えにくいレベルで、白髪が増え、脱毛が起こる
・若いのに白内障にかかる
・声がかすれ声になってしまう
・筋肉が落ちていき、やせ細っていく
・骨密度が低下し、骨折しやすくなる
・若いうちに身体に皺が発生するなど、高齢化が外観に現れる
などの症状が現れます。特に白髪の増加や急激な体力の低下は、ウェルナー症候群の初期症状であると言えます。
もし心あたりがあり、不安があるのであれば一度診断されてみるのが良いかもしれません。
ウェルナー症候群の治療法は?
早老症は上記でも述べたように、前例がほとんど無いような病気です。そして、現代医学では治す方法がありません。また、老いの進行を止める方法ですら、未だ見つかっていないのが現状です。
現代医学で対応できるのは、予防と合併症などの治療のみです。早老症にかかると免疫力が低下し、傷が治らなかったり、合併症を引き起こしやすかったりするので、それらを発生させないように最善の予防をし、早期治療を行うこをしています。
私の読んだ小説では、この病気に治療法がないことをいいことに、最新の医学技術があるなどと言って、詐欺行う医者がいました。現代の日本では、ほとんどそんな奴はいないと思いますが、小さな病院で対処できるほど、簡単に治るような病気ではないはずです。悪徳な民間療法などにはくれぐれも注意して下さい。
早老症の原因は何?
遺伝子に異常状態が原因だと推測されています。DNAが身体の傷ついた部分を修理する役割を持っているのですが、何らかの原因で早く老化してしまうのです。
また、遺伝子が原因であるために、4分の1という極めて高い確率で、兄弟姉妹も早老症にかかってしまう可能性があります。そして、子どもには200〜400分の1の確率で遺伝してしまうと言われています。
まとめ
早老症は未だに原因も治療法も確立されてない病気です。ファストフォワード症候群は、病を引き起こしてから1年で命を落としてしまうほど、急激に老化してしまう病気です。
こんな事実を知ってしまうと、普通に暮らせて普通に老いていくことがどれだけ幸せなことか、改めて考えさせられますよね。
人生に悔いは残さないようにしましょう。後回しに後回しにしていたら、結局掴みたいものを掴めずに終わるかもしれませんから。